不貞行為を相手方が認めてくれない?どのような証拠があれば不貞行為と認定されるの?

不倫慰謝料Q&A

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1 不貞行為の証拠はどんなときに必要になる?

相手方が不貞行為をしたことを認めているとき

 相手方が不貞行為をしたことを認めている場合は,証拠がなくても不貞行為の事実が認められます。つまり,相手方が不貞行為をした事実を認めているならば,裁判で不貞行為を証明するための証拠を提出する必要はないのです。

相手方が不貞行為をしたことを否定しているとき

 それでは,不貞行為を証明するために証拠が必要になるのはどのような場合でしょうか。それは,相手方が不貞行為の事実を否定している場合です。たとえば,相手方に対して,不貞行為をしたかどうかを問い詰めたときに,「ただの友人関係で性行為はない。」「相談に乗っていただけだ。」といったような言い訳をされることはよくあることです。このような場合は相手方が不貞行為を否認しているため,証拠によって不貞行為を証明しなければなりません。

2 不貞行為を証明する証拠ってどのようなものがあるの?

 不貞行為を証明するための証拠として代表的なものは,LINEの履歴や探偵が撮った写真などがあります。その他にも,手紙,偶然見つけたコンドーム,日記,ラブホテルのカードなども不貞行為を証明するための証拠として提出されることがあります。もっとも,それらの資料を証拠として提出すれば必ず不貞行為が認められるというわけではありません。それらの証拠から不貞行為があったことを証明しなければならず,証拠を提出しても,不貞行為があったことを証明できなければ,不貞行為があったとは認められません。

3 どのような証拠があればいいの?

不貞行為が認められない証拠

 不貞行為を証明するためには,証拠から性行為があったことを証明しなければなりません。二人でデートをしている,LINEのやりとりをしているといったことだけでは,性行為があったことまでは認められません。また,部屋から出てきたコンドーム,ラブホテルのカードなどの証拠のみでは,不貞行為を証明することは難しいでしょう。

不貞行為が認められる証拠

 LINEの履歴の中に,性行為をしたことを示すやりとり,お泊まりをしていることを示すやりとりが残っている,二人でラブホテルに入る様子が写った写真などの証拠があれば不貞行為を証明できる可能性が高いです。

4 裁判例から考察

事例その1 離婚から4か月後に相手方が結婚した。

 婚姻関係にあったときからすでに面識があった女性と,離婚してわずか4か月後に結婚した。このような事実があれば,「やっぱり婚姻関係にあったときからそういう関係にあったのではないか!」と疑ってしまいますよね。ただ,裁判所は,このようなケースで不貞行為を認めませんでした。

事例その2 日帰り旅行&相手方に好意を寄せる日記

 主な証拠として,二人で日帰り旅行に行き,抱き合い,キスをしている写真,浮気相手に好意を示す日記があるケースで,裁判所は,それらの証拠が肉体関係を直接示すものではないことから不貞行為を認めませんでした。旅行が日帰りではなく,お泊まりであれば不貞行為が認められていた可能性は高いでしょう。

 一方で,裁判所は,二人の接触や関係は不貞関係と同視し得るとして,慰謝料80万円を認めています。慰謝料80万円という金額は,不貞行為まで認められなかったケースでは高額な部類であり,あと一歩のところで不貞行為が認められなかった事例といえるのではないでしょうか。

5 最後に

 不貞行為を証明するためにはどのような証拠が必要で,どこまで証拠を集めればいいのか少しはイメージをお持ちいただけたでしょうか。

 実際にお手持ちの証拠で,不貞行為を証明できるかどうかお悩みの方は気軽にご相談ください。
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