1 探偵による調査
不貞の証拠といえば探偵による調査を一番最初に思い浮かべる人も多いかもしれません。実際にも、探偵の調査資料が不貞の決め手になり、不貞慰謝料を請求していくことは多いです。それでは、探偵に不貞の証拠の取得を依頼する場合のメリット、デメリットについて説明します。
2 実際に不貞行為をしていれば高確率で有力な証拠が取れる。
探偵の調査方法は尾行です。一日中、深夜も通して張り込み、尾行をします。そのため、例えば、不倫をしている二人がホテルに入ったり、自宅に入ったりすれば、入るところと出るところの写真を得ることができます。また、外で手を繋いだり、キスをしたりすれば、その場面についての写真も得ることができます。私も探偵が調査した資料をいくつも見たことがありますが、探偵はさすがプロなので裁判で使える証拠を収集してくれます。一方で、自分で尾行、張り込みして写真を撮りましたという場合は、証拠として使えないようなものが多いです。顔などが鮮明に写っておらず、対象者を特定できない場合や、ホテルや自宅に入ったところ、そして出たところなど肝心なところが撮れていないことがほとんどです。
3 探偵の調査資料で不貞行為を証明できるか。
ラブホテルを出入りするところが写った写真があれば不貞行為の証拠として十分でしょう。お泊まり旅行に行った写真が撮れていた場合も不貞行為の証拠としては十分でしょう。自宅に出入りする写真については、不貞行為の有力な証拠ではありますが、時間帯、滞在時間や二人の関係性、経緯などにより不貞行為までは認められないという判断はあり得るでしょう。
一方で、二人で一緒に居るところを写真で撮れたとしても、ただ食事をするだけで終わってしまった場合などには、それだけでは探偵の調査資料でも不貞行為を証明することは難しいでしょう。
4 実際にあった出来事しか撮れない。
探偵は、対象者が実際に不倫をしていたら、裁判で証明できる証拠を用意してくれます。しかし、いくら腕利きの探偵であっても、対象者に怪しい行動がなければ、ただの普通の日常生活を撮るだけで調査は終わってしまいます。
つまり、探偵に依頼しても対象者に怪しい行動がなければ、調査は空振りに終わってしまうこともあるのです。
5 費用が高額
探偵会社にもよりますが、不貞の証拠を取るための探偵費用は安くありません。100万円以上かかっていることもめずらしくなく、200万円近く探偵費用でかかっていることもありました。不貞慰謝料の相場は、100万円から200万円程度です。仮に探偵に依頼をして不倫の証拠を取れたとしても、探偵の費用で100から200万円もかけてしまうと、最終的に自分の手元に残るお金がほとんどないということにもなりかねません。
上記4のとおり、探偵の調査をしても空振りをしてしまうこともあります。その場合にも通常は探偵費用が必要となり、出費だけをしてしまうことも想定されます。
6 まとめ
探偵の調査は、対象者が不倫をしていれば有力な証拠を取得できる可能性は高いですが、空振りに終わることもあり、また、費用も高額になることが多く、どのような場合にどのような調査を探偵に依頼するのかを慎重に検討する必要があります。証拠の収集方法についても、離婚や不貞訴訟の経験が豊富な川西能勢法律事務所の弁護士に気軽にご相談ください。
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