１ 不貞行為を証明する証拠について
不貞行為を証明する証拠として、ラブホテルに入退室する写真、LINE履歴などがあります。これらの証拠としての強さなどは内容により様々であり、一つの証拠で不貞行為を証明できるものもあれば、一つの証拠では不貞行為を証明するのが難しいものもあります（不貞行為の代表的な証拠の強さや弱さなどについては、「不貞の証拠について解説」もお読みください。）。
ホテルに入退室する写真など、一つの証拠で不貞行為が証明できる証拠がいつでも手に入るわけではありません。そのような場合に、どのように不貞行為を証明すればいいのか解説します。
２ 複数の証拠を合わせて不貞行為を証明
LINEのやりとりも、一緒に食事に行ったに留まるようなものであれば、それのみでは不貞行為を証明することは難しいでしょう。また、自宅に入退室している写真についても、時間帯や滞在時間、二人の関係性にもよりますが、それ１枚だけでは不貞行為を証明することが難しい場合もあるでしょう。
不貞行為は、何も一つの証拠で証明しなければならないわけではありません。複数の証拠を合わせて証明できればいいのです。
例えば、自宅に入退室をした写真だけでは不貞行為を証明することが難しい場合であっても、その他に性交までうかがわせるやりとりはないものの、交際しているかのようなやりとりがあるLINEと合わせれば、不貞行為を証明できる可能性は高いでしょう。
３ どのような証拠を積み重ねればいいのか
証拠から証明できるものは同じではなく、それぞれの証拠が持つ意味は異なります。例えば、LINEのやりとりで、性交まではうかがわせるものではないが、交際しているかのようなやりとりが多くあったとしても、それだけで不貞行為を証明することは依然として難しいでしょう。このようなLINEがあるときに求められるのは、二人で自宅など密室の空間、性交ができるような場所にいたということを証明できる証拠です。
一方で、例えば、自宅に入退室した写真がある場合、他の証拠で、二人の親密度を証明したいところであります。自宅に入退室した写真については、自宅に入室する回数が多ければ、それだけ親密な関係性にあるということをうかがわせる事情になるので、多くあればそれだけ不貞行為の証明には近づくでしょう。
４ 証拠の集め方
裁判では証拠の提出については原則として制限はないので、不貞の証拠になりそうなものはすべて保存するなりしておきましょう。集めた証拠次第で不貞行為が証明できるのか、それとも他にも証拠が必要であるのか、必要であればどのような証拠が必要であるのかを判断しなければなりません。
証拠の収集といっても費用のかからないものから、調査資料など費用のかかるものまで様々です。必要のない証拠の収集のために費用をかけてしまうのももったいないです。また、証拠が不十分なのに、その時点で相手に問い詰めてしまってそれ以上証拠が取れずに不貞行為を証明できなくなってしまってはそれ以上証明のしようがありません。
証拠を収集されたなら、不貞行為の交渉や訴訟の経験が豊富な川西能勢法律事務所の弁護士に一度ご相談ください。適切な証拠の収集について助言いたします。
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