友人にお金を貸したら返ってこない。その理由と法的リスクを解説
1. きっかけは「ちょっとだけ貸して」
ある日、親しい友人から「少しだけお金を貸してほしい」と頼まれたとします。相手が困っている様子であれば、助けたいと思うのが人情でしょう。
実際に、ある相談者は友人から「生活費が足りない」「すぐ返す」と言われ、2万円を貸しました。しかし、その後友人と連絡が取れなくなり、不安になった相談者は弁護士に相談することになりました。
2. 貸したお金を返してもらえない現実
数週間後、連絡がついた友人は「今は返せない」と曖昧な返事を繰り返しました。相談者は不信感を強め、法的対応を検討することになりました。
3. 金銭トラブルの回収は困難を伴う
法律上、友人間のお金の貸し借りであっても、契約書がなくても貸金契約は成立します。ただし、証拠が不十分な場合は、裁判での立証が難しくなる可能性があります。LINEのやり取りや振込記録など、客観的な証拠の有無が重要です。
4. 差押え手続の限界
仮に裁判で勝訴し、債務名義(確定判決や支払督促など)を取得したとしても、実際に債権を回収するには差押えの手続を行う必要があります。しかし、給与を差し押さえるには勤務先の情報が必要であり、相手が退職していれば実行できません。
また、差押えの対象となる財産が見つからなければ、手続自体が空振りに終わることもあります。手間や費用をかけて手続を進めても、現実には何も回収できないというケースも少なくありません。
5. 債務者が破産した場合の影響
さらに注意すべきは、相手が破産手続を申し立てた場合です。破産が認められると、貸した側は債権を回収することができなくなります。債務が免責されることで、法的に請求する権利が失われるためです。
6. 貸す前に考えるべきこと
以上のように、友人や知人に対する貸し付けは、法的に回収することが極めて困難な場合が多くあります。貸す側としては、返ってこないリスクを十分に考慮したうえで判断する必要があります。
特に、返済がなされなかった場合に「訴訟→勝訴→差押え→回収」という一連の流れを踏むには、相応の手間・費用・時間がかかることを理解しておくべきです。
7. まとめ
- 友人間の貸し借りでも、証拠は必ず残すこと
- 裁判で勝っても、差押えや回収には限界がある
- 破産されると、債権は法的に消滅する可能性がある
- 貸す際は、最悪返ってこなくても後悔しない範囲にとどめること
金銭トラブルは、人間関係を大きく損なうリスクがあります。貸す前に一度立ち止まり、「もし返ってこなかったらどうなるか」を冷静に考えることが大切です。
