事故後の「言った・言わない」を防ぐには?
裁判所がまず見るのは“実況見分調書”です
交通事故では、「ウインカーを出した/出していない」「進路変更した/していない」といった言い分の食い違いが日常茶飯事です。ドライブレコーダーが確実に映していれば良いのですが、未搭載・死角で映っていないことも珍しくありません。
このようなとき、裁判所が最初に重視するのが**警察が事故直後に作成する《実況見分調書》**です。
実際にあった判断:ウインカーの有無はこう見られた
ある事例では、「車(四輪)は車線変更」「バイクは直進」で衝突した事故について、**バイク側は『車は車線変更していない』**と主張しました。
ところが、事故約1時間後の実況見分で、
- 車の運転者は「ウインカーを出した」と説明し、
- バイクの運転者は「ウインカーは出していなかった」とは説明していなかった。
この経過を踏まえ、裁判所は車はウインカーを出していたと認定しました(「事故当時は気が動転していて…」という後日の説明は採用されませんでした)。
✍️ポイント:事故直後の実況見分で何をどう伝えたかが、後日の裁判で大きな意味を持ちます。
事故直後〜実況見分で「必ずやること」チェックリスト
- 必ず通報し、人身が疑われるときは人身扱いへ
- 実況見分では事実を端的に:
信号色/合図(ウインカー)/自車位置と相手位置/進路変更の有無/速度感などを推測ではなく“見聞きした事実”で伝える - 見取図・位置関係の確認:
車両の停止位置、衝突点、進路、視認位置などに食い違いがないかその場で確認し、誤りがあれば訂正申入れ(署名・押印前) - 自助的な記録:
可能な範囲で、現場写真(停止位置・路面痕跡・周囲環境・標識)、相手車両の損傷、自分のメモ(時刻・気象・見え方)を残す - 目撃者・同乗者の連絡先確保:
後日、供述が必要になる場面に備える
❌避けたいNG
・その場の勢いで事実と異なる発言/推測の断定
・後日になって大きく話を変える
・感情的なやり取りやSNS発信(相手方に利用されがち)
ドラレコがない・映っていないときの備え
- 自車・相手車ともに損傷部位の近接写真と広角写真を確保
- 道路標示・標識・停止線、見通し、街灯、遮蔽物の有無を撮る
- 通話明細・位置情報・業務日報など、補助資料の存在を確認
- 会社車両や周辺施設の外部カメラ映像の保全依頼も検討を
まとめ
- ドラレコが万能ではない以上、実況見分での正確な伝達と記録確認が何より重要。
- 事故から時間が経つほど、人の記憶は不正確になる。だからこそ**「事故直後の供述内容」**が重視されるのです。
- 後日「動転していて…」は通りにくい。その場で事実を端的に。
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