【弁護士解説】しれっと無期雇用を有期雇用に変更!?裁判所の判断は「NG」
「契約書にサインしたけど、そんな内容だなんて聞いてない!」
そんな事態が、実際に裁判で争われました。今回ご紹介するのは、無期雇用から有期雇用に“しれっと”変更されたケースについての裁判例です。
📌 事案の概要
あるコンビニで勤務していた原告男性は、正社員として無期雇用契約を結んでいました。
ところがある日、勤務態度や言動について問題視される出来事が起こります。
原告はアルバイトの高校生に対して、
「今日は化粧してるんだね」
などと発言し、セクハラまがいの言動があったとされて注意を受けました。
その後、店側は「時給をアップする」との説明を添えて、新しい労働契約書へのサインを求めました。
❗実は有期雇用に変えられていた
原告男性は何の疑問も持たず、その契約書にサインしました。
ところが1ヶ月後、会社から**「契約は更新しません」**という通知が届きます。
驚いた原告が内容を確認すると、無期雇用から3か月の有期雇用に変更されていたことが発覚。
「そんな話は聞いていない!」
「時給アップの話しかされていなかった!」
原告はこれを不服として訴訟を起こしました。
⚖️ 裁判所の判断:「サインしたからOK」ではない
会社側は「本人がサインしたのだから、合意の上だ」と主張しましたが、裁判所はこれを否定しました。
「原告が有期契約への変更内容をきちんと理解した上で署名したとはいえない」
つまり、雇用契約のような労働条件の重要な変更については、労働者が納得・理解したうえで明確な説明がなされていることが必要であり、
「しれっと契約書だけ出してサインさせる」のは許されないという判断が示されたのです。
✅ 弁護士の視点:重要な変更は、しれっとしてはいけない
この裁判例からも分かるとおり、雇用形態の変更――特に無期から有期のように、労働者の地位を左右するような変更には、
- 丁寧な説明
- 本人の理解と納得
が不可欠です。
たとえ契約書に署名があっても、それが**「何に合意したのかを明確に理解していたかどうか」**が問われるということです。
📎 まとめ:サインだけではダメ。説明義務が重視される時代へ
企業側としては、契約変更にあたっては書面だけで済ませず、
口頭での説明・質問対応・記録の残存など、より慎重な対応が求められます。
労働者としても、雇用契約書にサインを求められたときには、
**「何がどう変わるのか」**をしっかり確認し、納得できない場合は保留・相談する勇気が大切です。
雇用契約でお困りの方は、ぜひ弁護士へご相談ください。
