セックスレスで慰謝料請求は「よっぽど」?
弁護士が解説する実際の裁判例
幸せな結婚式を挙げたばかりの夫婦。
しかし、その夜のホテルで妻が期待していたことは、結局起こりませんでした。
実はそれ以前の同棲期間8か月間も一度も肉体関係がなかったのです。
やがて妻は「子どもを授かりたい」と夫に伝えましたが、それでも何も変わらず、結局そのまま離婚へ。
妻は夫に対し、「精神的苦痛を受けた」として慰謝料請求を行いました。
⚖️ 裁判所の判断
裁判官は次のように述べています。
「夫婦の営みは、精神的な結合のもとで情愛を持ち、
肉体的な結合によってその精神的な結びつきが深まる、
極めて重要な意義を持つものである。」
そのうえで、結婚生活中に一度も性交渉がなかったという事実を重く見て、
「これは一般的な婚姻生活とはいえず、
精神的結合を欠いている」
と判断。
夫に対して慰謝料50万円の支払いを命じました。
💡 弁護士の見解
この裁判例は、いわゆる「セックスレス離婚」の中でもかなり極端なケースといえます。
裁判所は「単なる性格の不一致」ではなく、
- 婚姻期間中に一度も肉体関係がない
- 配偶者の希望を繰り返し無視している
といった事情がある場合に、初めて不法行為(慰謝料請求)を認める傾向にあります。
つまり、
「一定期間セックスレスだから慰謝料請求できる」
というわけではありません。
しかし、配偶者の希望を無視し続け、
精神的にも孤独を強いてきた場合には、
婚姻を継続し難い重大な理由と判断される可能性があります。
✅ まとめ
- セックスレス自体はすぐに違法ではない
- ただし「婚姻期間中一度も関係がない」など極端な場合は、慰謝料が認められる可能性がある
- 慰謝料額は事案により異なるが、本件では50万円
