養育費を払わないから子どもに会わせない――これは許される?
裁判所が下した「明快な結論」
離婚後の大きなトラブルのひとつが、「養育費」と「面会交流(子どもとの面会)」の問題です。
感情的なもつれから、養育費を払わないなら子どもに会わせないという主張をする方も少なくありません。
しかし、この考え方は法律的に認められるのでしょうか?
💼 事案の概要
夫婦は、夫が自宅を出て別居を開始。
夫は家庭裁判所に離婚調停を申し立てました。
調停の中で、
- 月に2回程度の面会交流を行うこと
に一旦合意。
一方で、妻はこう主張しました。
「月20万円の養育費を払わないなら、子どもに会わせません。」
夫はそれに対し、
「20万円は高すぎる。14万円なら払う。」
と答えました。
家庭裁判所の調停委員会が算定した養育費も、実際に月14万円。
それでも妻は、「夫が20万円払わないから会わせない」として面会を拒否。
夫は、これを債務不履行として損害賠償を求める裁判を起こしました。
⚖️ 裁判所の判断
裁判所は、次のように明確に述べています。
「養育費の支払いが滞っていることを理由に、
面会交流を拒否することは認められない。」
つまり、
- 養育費の支払い
- 面会交流
は全く別の権利義務関係であり、相互に“人質”に取ることはできません。
その結果、
裁判所は夫の請求を一部認め、妻に対して慰謝料20万円の支払いを命じました。
💡 ポイントと弁護士の見解
この裁判は、離婚後の親同士のトラブルで非常に重要な判断を示しています。
- 養育費を払わない → 強制執行など法的手段で請求可能
- 面会交流を拒否 → 子どもの健全な成長に悪影響を与える行為
つまり、どちらの問題も法的に別のルートで解決すべきなのです。
✅ まとめ
- 「養育費を払わないから子どもに会わせない」は法律上許されない
- 養育費と面会交流は独立した権利義務関係
- 面会交流の拒否は、損害賠償(慰謝料)の対象となることがある
