【弁護士解説】上司への逆パワハラで部下が処分!?けん責・配置転換は適法とされた裁判例
職場におけるハラスメント問題は、いまや「上司から部下」だけでなく、「部下から上司」に対するもの、いわゆる逆パワハラも深刻な課題として注目されています。
今回は、上司に対して不適切な言動を繰り返していた部下に対して会社が処分を行い、その処分の適法性が裁判で争われた事案をご紹介します。
📌 事案の概要:逆パワハラ的言動で部下が処分
ある企業において、部下である社員が、上司に対して攻撃的・挑発的な言動を繰り返していたことが発覚しました。
当該部下は、上司の業務命令に対して反抗的な態度を取り続けたほか、他の従業員に対しても上司の悪口を広めるなど、職場の秩序や人間関係を著しく乱す行動をとっていたとされています。
これを受けて会社は、当該社員に対して
- けん責処分
- 配置転換
を命じました。
しかし処分を受けた社員(部下)は、「自分の言動は正当な意見表明であり、処分は不当だ」として裁判を起こしました。
⚖️ 裁判所の判断:会社の処分は適法と判断
裁判所は、当該社員の言動が、単なる意見表明の範囲を超え、上司への人格攻撃や組織秩序の混乱を招くものであったと認定しました。
また、会社がとった処分についても、以下のように評価しました:
| 判断ポイント | 裁判所の評価 |
|---|---|
| 社員の言動の性質 | 指導の範囲を逸脱した攻撃的な内容で、職場秩序に重大な影響を与えた |
| 会社の処分内容 | 就業規則に基づいた相当な内容で、過度ではない |
| 配置転換の目的 | 懲罰というより、職場環境の安定を図る合理的措置と判断 |
以上を踏まえ、裁判所は「会社の処分は社会通念上相当であり、違法とはいえない」として、会社側の勝訴としました。
📝 弁護士の視点:逆パワハラでも処分される時代
この裁判例が示すとおり、部下による上司への不適切な言動も、内容や態様によっては懲戒処分の対象となり得るということが、明確に認められつつあります。
特に近年では、
- 組織の秩序維持
- ハラスメント対策の公平性
- 精神的安全の確保
といった観点から、「上司だから我慢すべき」といった古い価値観が見直され、逆パワハラに対しても企業が毅然と対応することが求められているのです。
✅ まとめ:部下の言動でも「懲戒処分」はあり得る
逆パワハラ的な言動を受けた場合、上司としてはどうしても「自分が我慢すればいい」と考えがちです。
しかし、それが職場全体に悪影響を及ぼすようであれば、会社として正式に対処することが必要です。
今回のように、部下の不適切な言動に対してけん責・配置転換という処分を行った会社の対応が、裁判でも適法と認められるケースも出てきています。
職場の人間関係やハラスメント問題にお悩みの方は、ぜひ早めに専門家にご相談ください。
