東京地裁で争われたご近所トラブルの実際
「家の隣に保育園の園庭ができて、園児の声がストレスに…」
そんな事情から、実際に裁判にまで発展したケースがあるのをご存じでしょうか。
🚨 事案の概要
舞台は東京都練馬区の閑静な住宅街。
ある夫婦は長年住んでいた家の隣に保育園の園庭が新設されたことで、園児の声に悩まされるようになりました。
夫婦は「園児の声は騒音だ」として、保育園に対し 毎月10万円の損害賠償 を請求する訴訟を起こしました。
⚖️ 裁判所の判断
裁判所は次の点を重視しました。
- 問題となるのは「境界上の騒音」ではなく「建物屋内で感じる騒音レベル」であること
- 周辺には中学校があり、もともと吹奏楽の演奏などで騒がしい環境があった
- 園庭開設当初はうるさい程度の観測もあったが、その後は減少傾向にあり、窓を閉めればほとんど気にならないレベル
- 園庭の使用時間は、プール遊びのある夏を除けば平均30分程度で、月に15日ほど
- 騒音が顕著に発生するのは一部の時間に限られていた
これらの事情を総合し、裁判所は 園児の声は「受忍限度」を超えていない として、夫婦の請求を棄却しました。
💡 ポイントと考察
- 騒音訴訟では「受忍限度」を超えるかどうかが最大の争点になる
- 保育園が一定の対策を講じていた点も、違法性を否定する方向に作用した
- もし何も対策をせず「騒ぎたい放題」の状態であれば、違法と判断されていた可能性もある
✅ まとめ
- 保育園の園児の声を「騒音」として訴えた事案 → 請求は棄却
- 理由は「現状の騒音は受忍限度を超えない」と判断されたため
- 裁判所は「地域の生活環境全体」と「園側の対応努力」を総合考慮している


コメント